米国のロボット

2008年11 月 5日

シンギュラリティーについて

 Singularity Summit 2008 を取材しました。記事はRobot Watchに掲載されています。

 コンピューターがいずれ人間の知能を超えるかどうかについては賛否両論があり、例えばここにハイテク関連のセレブたち数人がシンギュラリティーを信じるか否かについて考えを述べています。

 ちなみに、以前、ロボットの分野で著名なスタンフォード大学のSebastian Thrun教授をインタビューしたときに聞いてみたら、同教授は「信じない」と話していました。シンギュラリティーが起きてコンピューターやロボットが何でもするようになったら人間のやることはなくなるという考え方がありますが、同教授は「昔は私の仕事(コンピューター・サイエンス、ロボット工学)もあなたの仕事(ジャーナリスト)もなかった。でも今はこうして働いている。それと同じように、将来も必ず人間が取り組む新しいことが出てくる」。

2008年10 月30日

Willow GarageのPR2の写真

 夏にWillow GaragePR2の写真を掲載した が、同社のブログに最新の写真が出ている。 

 胴体前腕、  センサー・ヘッド。写真が美しい。

2008年10 月 8日

iPhoneロボットなどが集合-Bot BBQ

 10月4日にGetRobo本部にシリコンバレー周辺のロボット関係者を招きバーベキュー・パーティーを開きました。名付けて「Bot BBQ」。AnybotsReadyBotWillow GarageDARPAのアーバン・チャレンジの参加チームメンバーなどなどにお集まりいただき、たいへん楽しかったです。

 この日、大人気だったのはかづひさんが作ったiPhoneロボ。お目目がキュート。動画も見てください。

 Bot_bbq_2008_011

 また、HomeBrew Robotics ClubCamp Peavyさんは自作ロボットを多数、持参してくださいました。

Bot_bbq_2008_007

 かわいかったのは「Hello, you are my friend.」を連発していた「Wirey」。

 トイレットペーパーの芯とアイスクリームの棒で作った「Homer」。

 子供たちが遠めから警戒しながらも興味津々だったのが「Springy Thingy」。

 そして車輪型の「Rusty」。

 BBQ参加者からは「定期的にやらないの?」という声が上がっていたので、年に1回くらいの頻度でやろうかな。

2008年9 月22日

WowWeeのテレプレゼンス・ロボット、発売へ

 おもちゃロボット・メーカーのWowWeeが開発を進めてきたテレプレゼンス・ロボットの「Rovio」がいよいよ発売になるようだ。Meet Rovio というサイトにはまだ「Coming Soon....」のサインがあるだけだが、Gizmodoによると9月26日の発売を予定している。そのネタ元のRobots Ruleによると少しずれ込む可能性があるようだが。

Rovioanglecameraliftsml  カタログ販売のHammacher Schlemmerで予約販売が始まっており、価格は約300ドル。「Rovio」という商品名は使わずに、「robotic sentry(ロボットの見張り番)」と呼んでいる。

 カタログから抜粋すると、

☆インターネットを通じて世界のどこからでも自宅を監視できる。

☆音声と高精細画像(640×480)はMPEG4でストリーミング、写真を撮ってメールで送信可能、マイクとスピーカーで双方向のリアルタイム会話が可能。

☆三輪型で全方向に動く、ポールでカメラが上昇し広視野

☆10種類の監視経路をセットできる、赤外線センサーで障害物を検知・回避し、新しい指令を受けるまで経路をたどり続ける

☆電池寿命は2時間、遠隔から充電を指示すれば充電器に戻る、2時間でフル充電

☆Windows XPかVista、MacはWi-Fiカード、無線LANが必要

☆対象年齢:8歳以上、重さ2.3kg

The Control From Anywhere Home Sentry.
This robotic sentry can be controlled by any remote device capable of browsing the internet, allowing you to monitor your home from anywhere in the world. Audio and high-resolution (640 x 480) video are streamed in MPEG4 format, and it can take still pictures and e-mail them to you; it has a two-way microphone and speaker that enable real-time interaction with subjects. Three wheels support its chassis, providing 360° of nimble movement as its camera boom extends to provide a wide field of view while surveying its surroundings. You can set the sentry with up to 10 paths for a customized patrol; it will move along a path, detecting and avoiding obstacles with its infrared sensor, and repeat the sequence until issued new orders. It operates for two hours from its rechargeable battery which draws power from the included recharging base (the sentry can locate its base using its built-in infrared sensor when you command it to re-charge remotely); full charge requires two hours. Requires a PC running Windows XP or Vista (or Macintosh with a Wi-Fi card), a broadband internet connection, router, or other type of wireless access point (sentry has a 100' wireless range). Ages 8 and up. 5" H x 10 1/2" L x 9" W; (10" H with camera deployed) (5 lbs.)

2008年9 月16日

ROBOTGALAXY-ロボットの新・仮想世界

 MarketWatchを通じてROBOTGALAXYという会社があることを知った。顧客がロボットを自分で組み立てて購入できる小売店舗を2店、米国東海岸で運営している会社だが、これから「ONLINE GALAXY(オンラインの銀河系)」というサービスを開始するため、500万ドル以上を調達したという。

Robotgalaxy

 顧客はROBOTGALAXYで組み立てた独自のロボット(写真は1例、同社のサイトから拝借)を「Supersonic Fuel Cell(超音速燃料電池)」とUSBケーブルでパソコンにつなぐと、オンラインで様々なゲームに参加できるようになる。

 最高経営責任者(Chief Galaxy Officer)は、ギャップやラルフ・ローレンなどのブランドのトップを務めてきたKen Pilot氏。新事業の形態は、店舗で自分だけのテディーベアを作って持ち帰れるビルド・ア・ベアの男の子版かなあ、と思ったら、ビルド・ア・ベア出身者も経営に参画しているようだ。

2008年9 月10日

MITのブルックス教授が新ロボット会社を設立

 ロボット分野の大御所、MITのRodney Brooks(ロドニー・ブルックス)教授が、新ロボット・べンチャーを設立した。その名は Heartland Robotics。ブルックス教授はアイロボット社の共同創業者兼最高技術責任者(CTO)としても知られるが、同社のプレスリリースによると、同教授は取締役会にはとどまるものの、CTOは退任する。また、同教授はMITの職務も休職し、新ベンチャーに専念するようだ。

Dr1_rodney_brooks_1 (写真はアイロボット提供)

 新ベンチャーのサイトにはまだ何も情報が載っていない。ただ、「Heartland Robotics is combining the power of computation - embodied in robots - and the extraordinary intelligence of the American workforce, to rehumanize and revitalize manufacturing.(ハートランド・ロボティクスはロボットに統合された計算能力と、米国の労働力のたぐいまれな知力を組み合わせることで、生産活動に人間らしさを取り戻し、活性化する)」とだけ書いてある。

 新会社が実際どんなロボットを開発するのか詳細は明らかになっていないが、Xconomy に比較的、詳しい情報が載っている。そこから要点を抜粋すると、

☆ブルックス教授は新会社の会長兼CTO。最高経営責任者(CEO)にはMITの講師で「連続」起業家のKen Zolot氏が就任する。

☆新会社はアイロボットと競合しない。

☆職場と産業分野に革命をもたらすようなロボットを提供する。パソコンがIT従事者の世界にもたらしたような生産性の向上を、単純労働の世界にもたらしたい。

☆大工場の産業用ロボットではなく、中小・零細企業を顧客のターゲットとしている模様。この記事で例として挙がっているのが従業員3,4名のパン屋。ネット経由で2000ドル程度でロボットを購入でき、マニュアルを読まなくても、パン焼き職人が自然言語と業務のデモンストレーションでロボットをプログラミングできる、といった世界をブルックス教授は想定している。

 ということはいよいよ、「まるいち」が現実に世の中に登場するということか?!この新会社、要ウォッチ。

2008年8 月21日

プレオのプラスチック・ギア

 恐竜型ロボット「プレオ」を開発したUgobe(ユーゴービー)社の最高技術責任者(CTO)、John Sosoka氏がシリコンバレーで講演した。話の内容は同氏をプレオの発売直前にインタビューした時とほぼ同じだったが、一つだけ興味深い新しいことが聞けた。

 プレオの中に入っているプラスチック・ギアについてだ。会場から「ギアの音が静かだが、特別に設計したのか」という質問があり、それに対してSosoka氏は「そのとおり」とし、Rod Kleissという人物に設計をお願いしたと語った。Kleiss Gearsという会社の社長だ。極めて斬新な形のギアを作ってくれるという。サイトを見てみると、何年か前にマイクロソフトが発売したバーニーの人形にも使われていたらしい。

2008年8 月18日

ベンチャーのRunbot社-CGソフトをロボットに活用

 シリコンバレーにもう1社、ロボット関連のベンチャー企業がお目見えした。その名はRunbot(ランボット)。創業は2006年だが、世の中にデビューしたのは今年の夏だ。大手ゲームソフト会社のエレクトロニック・アーツの出身者たちが中心になっている。

 同社がやろうとしているのは、ゲームソフトや3次元コンピューター・グラフィックスの世界で一般的に使われているテクニックを、リアルなロボットの開発に応用することだ。具体的には、Maya(マヤ)と呼ばれる、ゲームや映画、CMの制作で使用されている3次元コンピューター・グラフィックス・ソフトを用い、ロボットのリアルな動きをプログラムしようとしている。以下はその過程を紹介するYouTubeのビデオだ。同社が作った他のビデオはここで見ることができる。

 Mayaを使う利点は、「IK handles」というツールにある。「IK」は「Inverse Kinematics(逆運動学)」の略。ロボットの腕の関節角度を定めると、腕の上部から順番に各関節の位置が計算でき、最後に手先の位置が決まるのが「順運動学」。対する「逆運動学」とは、まず手先の位置を決めてから、各関節角度を求めるという手法だ。MayaのIKハンドルを使えば、ロボットの各関節角度をいちいち調整しなくても、思った姿勢や動きを作り出すことができる。

 YouTubeのビデオではちょっと画面の内容が見づらいが、Runbotの手法の強みは、パソコン上でスライダーを動かしながら、リアルタイムでロボットにモーションを伝えられることだ。

 Runbotは設立当初、小型ヒューマノイド・ロボットを自社開発しようと試みたが、いったん挫折。現在はソフト開発にフォーカスし、ソフトの実証試験にはROBONOVAを利用している。ただ、「どんなロボットにも応用可能」(最高技術責任者のTodd Growney氏)としており、それが本当なら、こうしたアンドロイドの動きにも活用できるとおもしろそうだ。同社のNancy Philippine社長兼最高経営責任者(CEO)は、「これまではエンジニアがロボットのモーションを作ってきた。我々のやり方は、(ゲームやCGの世界で活躍する)アーティストたちに、ロボットの世界に参加する道を開く」と話している。

 Runbotを訪問し、Philippine社長とGrowney氏をインタビューした。同社のソフトについてもっと知りたい方はGetRobo Premium記事をご覧ください。(GetRobo Premiumにはパスワードが必要です。パスワード送付をご希望の方は無料メーリングリストから登録してください。)

2008年8 月 8日

Readybotは安価で機能的なアームに焦点

 台所掃除ロボットを開発中のReadybotについて今年3月に書いたが、このグループが2本目のビデオをリリースした。今回は部屋の後片付けをするロボットだ。前回はグループ・リーダーのトム・ベンソン氏を電話でインタビューしたが、昨日、初めて会うことができた。同氏はこのほどコンサルタントの仕事を辞め、Readybotの事業化に専念することにしたという。

 なぜ今回は台所ではなく、リビングリームに?「台所は家事を象徴する意味で最初に手掛けたが、今回は、このタイプのロボットが台所だけでなく、家の他の場所でも役立つことを見せたかった」とベンソン氏は言う。 

 同氏に会って、Readybotが家庭用ロボット向けに安価で機能的なアームの開発に主眼を置いていることがよく分かった。円筒座標型(cylindrical)のアームだ。一般的に人型ロボットに使われいているようなアームは肩とひじの部分に大きなモーターが入っており、高価。Readybotのcylindricalアームは、簡単に言えばフォークリフトの原理で、高価なモーターや複雑な制御がなくてもOK、従来の人型ロボット用アームと比べて、アームの重さ当たり10倍の重量を持ち上げられると同氏は計算している。Cylindricalアームは、自由度に制限があるように思われるが、Readybotのロボットは「オムニホイールでサイド・スリップさせることで、『仮想的な肩関節』を構築することができる」と同氏は説明する。

 「車輪型ロボットのナビゲーション技術はもうかなり高度なレベルに達している。そこで次に家庭用ロボットのアプリケーションを広げるのに必要なのは安価で高機能のアームだ。そしてReadybotがフォーカスしているのはそうしたアーム用のソフトの開発。ハードはどこのメーカーが作っても構わない」とベンソン氏。「我々は"理想的な"ロボットを開発しようとしているのではない。"売れる"ロボットの開発を目指しているのだ。100万台といったレベルで売れなければおもしろくない」とも言う。

 上のYouTubeのビデオの最後にあるように、Readybotは「Phase 2(第2フェーズ)」に突入し、その内容については秋に発表するそうだ。下はMountain Viewのコーヒーショップでお会いしたベンソン氏。次回はロボットを実際に見せてもらうのが楽しみだ。

Readybot_tom_benson_aug2008_001

2008年8 月 6日

教育用ロボットの団体

 この記事を通じて、Institute for Personal Robots in Education(IPRE)という団体が存在することを知った。ジョージア工科大学と女子大学のBryn Mawr CollegeMicrosoft Researchが共同で、2006年7月に設立した。(そのときのプレスリリースはここ。)

 教育向けに適したパーソナル・ロボットを開発し、販売している。販売しているのはGeorgia Roboticsという非営利団体。

 今回の記事によると、IPREは全米28の高校・大学に対してScribbler(写真)という車輪型ロボットとグラントを提供し、各学校のロボット講義を支援する。

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